こんにちは、ちいです。最近寒かったり暑かったり気温差が激しいですがいかがお過ごしでしょうか。
本日は脳梗塞、なかでもラクナ梗塞における血圧管理について考察したいと思います。
ラクナ梗塞とは?
脳梗塞における病型のひとつです。詳しくはこちらをご覧ください。
脳梗塞は血圧を下げるのがいいのか?
以前脳梗塞の予防に関して、血圧が下げることが重要とお話しました。こちらをご覧ください。
脳卒中の予防という概念でいうと、血圧管理をしっかりすることは正解です。しっかり知識のおありの方で、入院中に「血圧が高いが大丈夫か?」と相談される場合があります。
入院中(脳梗塞急性期)は血圧を高値に保つほうがいい
ラクナ梗塞というのは、穿通枝と呼ばれる小血管が動脈硬化にて詰まってしまう病気です。ひとたび脳梗塞になってしまうと、ほかの血管まで詰まってしまわないよう、体が自動的に血圧を上げようとします。血圧が下がると、ほかの血管の灌流もわるくなってしまい脳梗塞が広がってしまうからです。
脳卒中ガイドラインでは
・脳梗塞急性期の高血圧は降圧しないよう勧められる(グレードA)
・収縮期血圧が220以上、拡張期血圧が120以上のときのみ慎重な降圧を検討する(グレードC)
と記載されています。ガイドラインのグレーディングについてはこちらをご覧ください。
脳梗塞は入院後進行することがある
血圧をしっかり保つ理由として、神経症状の悪化があります。入院して点滴や内服治療、急性期リハビリテーションを開始しても、一定の割合で症状が進行する方がいます。
以下は、入院時の血圧と症状の進行に関するデータです(脳卒中データバンク2015)。
入院時血圧が高いほど、神経症状の悪化を認めます。
ラクナ梗塞に対して症状の進行を抑えるには
以上をふまえると、入院時の血圧が高いラクナ梗塞の患者さまには注意が必要なようです。
これは私見ですが、血圧高値のラクナ患者さまが入院されたさいは
- 抗血小板薬(血をサラサラにするお薬)を通常よりも多く使用する
- 血圧は通常より少し低めのコントロールのほうがいい
- 点滴(補液)をいつもよりしっかり行う
などの管理が必要なのではないかとおもっています。しかし、これらはあくまで私の意見ですので、今後すこしずつエビデンスとして発展していければいいなと思います。
では、本日はこのあたりで!