本日は脳卒中の発症予防についてです。
脳卒中を(再発)予防するのに血圧管理は大事ということは皆さんご存じかと思います。では、具体的にどの程度に抑えればよいのでしょうか。

実際、内科の先生の仰ることと脳外科の医師で少し意見が違う場合があります。内科的疾患で血圧管理をされている場合は、そちらの指示を優先してください。

75歳未満、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)、腎機能障害(タンパク尿あり)、糖尿病、高血栓薬(血をさらさらにする薬)をのんでいらっしゃる方

上記に該当される方で、脳卒中を予防するためには

130/80未満が妥当である (推奨度B)

75歳以上、腎機能障害(タンパク尿なし)、両側頸動脈狭窄・主幹動脈閉塞を指摘されている(MRIの検査で血管が細いといわれている)方

上記に該当されている方は

140/90未満が妥当である(推奨度B)

以上のように記載されています。ちなみに推奨度というのは、治療の推奨をA-Eまでで分類しているグレードです。Bは強い推奨と考えてもらって構いません。

推奨度の詳細はこちら

ちなみに、よく「下の血圧」が高いと気にされている方がいらっしゃいます。我々脳外科の世界では、「下の血圧」が問題になることはなく、基本的には「上の血圧」をみながらお話しています(下の血圧をチェックする病気もありますので一概に下の血圧が意味ないというわけではありません)。

適切に血圧管理を行いましょう。ではまた。

投稿者

ちい

神戸某病院で脳卒中外科医をしている「ちい」です。 2児(5歳♂3歳♂)の父親で、趣味でランニングとフィットネスボクシングしています。 脳卒中の1次予防(病気にならない、再発させない)、2次予防(早期発見、適切な治療介入)を中心として一般の方に理解しやすいよう情報発信していきたいとおもいます(不定期・更新頻度はおそめです)。 趣味のダイエットに関する情報も発信していきます。

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