こんにちは、すっかり暖かくなってきました。私はここ数年、毎年花粉症が悪化しておりしんどい季節になってきましたね。でも暖かいので天気のいい日は特に気持ちいいです。
さて、本日は「脳卒中が起こりやすい時間帯」について考察します。
脳卒中はいつ起こるのか
脳卒中が発症した時間をまとめて、考察したデータが「脳卒中データバンク」に記載されています。
それによると、脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)が起こりやすい時間帯は
朝7-8時
正午
17-18時ころ
の3つのピークがあるようです。ちょうど食事どきですね。
一番のピークが朝で昼と夕に2番目のピークがあるイメージです。そして、日中より深夜帯の発症が少ないとされています。
ただし、夜間はみなさん寝ていますので、その間に発症した脳卒中が朝起床時としてカウントされている可能性があります。
朝に麻痺や構音障害(しゃべりにくさ)が出現した?
こういった、朝起きた時から神経症状がでている状態のことを「ウェイクアップストローク」といいます。
この場合、発症時間は「不明」になるのですが、実際の臨床現場では「最終健常時間」といって最後に症状がないことを確認した時間(ほとんどは寝た時間)を発症時間の目安とします。
たとえば、22時に寝て5時に起きたら麻痺があって、救急車を呼んで7時に病院にきた場合、発症時間(予想)は22時になります。
これは、以前お話したtPAという血栓を溶解するお薬を使用する際にとても大事な話になります。来院後、問診でに「いつから調子わるいのですか」と聞かれた際、朝起きた時間を仰る方がいます(だいたいみなさんそう思うとおもいますが…)。実際には「昨日22時に寝たときは普通でしたが5時に起きた時に症状がありました。」とお答えいただけるのが一番誤解が生まれないかと思います。
では、結局脳梗塞が起こりやすい時間帯は?
実際には夜中発症の脳梗塞が一定数、朝発症に含まれるため朝のピークが高いものと思います。
実際には①7-8時ころ②昼過ぎ③17-18時ころの3つの時間帯に同様にピークがあると私は考えています。そして、深夜に比べると日中(活動時)の発症が多いと考えられます。
この時間を知っているからと言って、予防のための効果はありませんが、先ほど述べた発症時間の概念は患者さまにも知っていただけるとスムーズに診療に入れるかなと思います。
それでは本日はこのあたりで!