こんにちは、ちいです。本日は部位ごとに異なった未破裂脳動脈瘤の破裂率をお話します。

未破裂脳動脈瘤の破裂率は?

前回、未破裂脳動脈瘤の破裂率は約1%/年と説明した疾患説明用紙をupしました。

実はこれは、概要であって実際の破裂率とは多少異なります。

部位ごとの動脈瘤の破裂率

部位や、大きさによる年間破裂率を研究したUCAS japanという研究があります。

U-info|未破裂脳動脈瘤はどれくらい破裂するのか? (umin.jp) より引用

1%/年という破裂はどこから?

先ほどお話した1%/年というのは、内頚動脈-後交通動脈分岐部にできた約5mmの動脈瘤もしくは中大脳動脈という部位にできた約7mmの動脈瘤でこのくらいの破裂率です。

実際に大きさも場所も無視してすべての未破裂脳動脈瘤患者さまの経過をみていくと1%/年程度であったとのことで、概算で1%というのが使用されています(最近の海外のデータでは0.2-0.5%/年程度という研究結果もありますが、日本人は他国に比べて動脈瘤が破裂しやすいといわれています)

破れやすい動脈瘤、破れにくい動脈瘤がある

実際に、実臨床で患者さまに治療するかどうか提言する際には、この表を用いながら行います。

小さくても破裂しやすい部位もありますし、ほとんど破れない部位もあります。

適切に介入しないと、破裂につながってしまうケースもありますので、主治医の先生とよく相談して治療するかどうかを決めましょう。では今日はこのあたりで!



投稿者

ちい

神戸某病院で脳卒中外科医をしている「ちい」です。 2児(5歳♂3歳♂)の父親で、趣味でランニングとフィットネスボクシングしています。 脳卒中の1次予防(病気にならない、再発させない)、2次予防(早期発見、適切な治療介入)を中心として一般の方に理解しやすいよう情報発信していきたいとおもいます(不定期・更新頻度はおそめです)。 趣味のダイエットに関する情報も発信していきます。

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