こんばんは。ちいです。本日は脂質異常症のお話をしようと思います。
脂質異常症というのは、高コレステロール血症という言葉で置き換えることができるかと思います。よく勘違いされている方がいらっしゃるのですが、いわゆる中性脂肪とは無関係です(中性脂肪と脳卒中の因果関係は証明されていません)。
コレステロールと一概にいっても、HDLやLDLといった表記を見たことがあると思います。脳卒中(特に脳梗塞)と関連があるのがLDLコレステロール(悪玉コレステロール)です。
すなわち、
アテローム性脳梗塞(脳および首の血管が細いといわれている方)において悪玉コレステロールのコントロールが必要です。
では、具体的にどのお薬でどの程度まで悪玉コレステロールを低下させる必要があるのでしょうか。
脂質異常症患者には、スタチンの投与が勧められる 推奨度A
スタチンの効果が不十分の場合、エゼチミブやPCSK-9の併用は妥当である 推奨度B
推奨度に関してはこちらを参照ください。
スタチンとは臨床ではクレストール™やアトルバスタチン™、リピトール™などを指します。
エゼチミブはゼチーア™やエゼチミブ錠™などです。
PCSK-9 は以上の内服を用いても改善しない難治性の脂質異常症に対して使用する注射のお薬になります。
では、具体的にどのくらいまで下げたほうがいいのかという議論に関してですが、こちらに関しては具体的な指標はガイドラインには示されていません。
しかし、最近の研究では、70 mg/dL 未満まで強力に下げたほうが心血管系イベントを抑制するとの結果がでています。 N Engl J Med 2020; 382:9-19
脳卒中(特に脳梗塞)の再発予防には、悪玉コレステロールをしっかりと下げましょう。では。