こんばんは、ちいです。本日は肥満についてお話します。
メタボリックシンドロームとはご存じでしょうか?おそらくほぼ日本国民の全員がこの言葉や意味をご存じかと思います。しかし、「メタボ」の正確な定義は理解されていないと思います。
メタボリックシンドロームの定義(メタボリックシンドローム診断基準検討委員会. メタボリックシンドロームの定義と診断基準. 日本内科学会雑誌; 2005;94:188-203.)
簡単に要約しますと
1.必須項目:ウエスト≧85cm(男性)、90cm(女性)
これはすなわち、「内臓脂肪」の蓄積を意味します。手足は比較的細いのにお腹がぽっこり出ている人いますよね?あれがいわゆる内臓脂肪です。上記を満たすと、概算で内臓脂肪量が100㎠以上に相当するといわれています。
2.選択項目:3つのうち2つを満たす
☆高トリグリセリド血症(中性脂肪):150mg/dL以上かつ(または)HDLコレステロール(善玉コレステロール)の低値:40mg/dL以下
☆高血圧:130/85以上
☆空腹時血糖:110mg/dL以上
結論から言うと「メタボリックシンドローム」≠「肥満」です。メタボリックシンドロームの定義に体重やBMIなどの基準はありません。では、肥満やメタボと脳卒中の関係はどうでしょうか。
まず、肥満に関してですが、「かなり」脳卒中と関係があります。
メタボリックシンドロームではない肥満と、メタボリックシンドロームではない普通体重を比べたところ、脳卒中をふくむ心血管系イベントが約1.5倍に増えたと報告があります。(International Journal of Obesity volume 42, pages302–309 (2018))。
続いて、「メタボ」ですが、「そこそこ」脳卒中と関係があります。
男性において特にメタボは脳卒中発症のリスク因子ですが、それを改善することで脳卒中発症を予防できるかはわかっていないようです。
メタボの改善ももちろんですが、まずは適正な体重をキープすることが脳卒中予防には大事ということですね。では今回はこのへんで。また!