こんばんは、ちいです。めっきり寒くなってきましたね。以前もお話しましたが寒くなってくると脳卒中の発症が増えてきますので、みなさんぜひお気をつけくださいね。
本日は若い方にも起こりうる、頭痛で発症する脳卒中のお話をさせていただきます。
「急な頭痛」で気にするべき疾患は2つです。
くも膜下出血
動脈解離
基本的にはこの2つを覚えておきましょう。
まず、くも膜下出血ですが、「後ろからバットで殴られた」「雷で撃たれた」ような激しい頭痛が出ることが有名かと思います。これは、脳血管の分岐部にできた「動脈瘤」が破れて勢いよく出血したときに髄膜という脳を包む膜が刺激されて出る痛みだといわれています。
逆に、このような頭痛がでれば、だれでもすぐ救急車をよぶかと思います。しかし、出血量がすくない場合は鈍痛で発症することもあり、必ずしも普通の頭痛との違いが分かりません。
経験上は、「後頭部の痛み」であること、「痛み止めを飲んでも効きが悪い」こと、「頭痛の出現した瞬間をはっきりおぼえていること」
この3つがそろえば、上記のいずれかである危険性があると思います。上記でこられる方は症状が軽くても明らかに「元気がない、顔色が悪い状態」で外来に来られます。
頭痛が強くしんどいと訴えても、元気よく診察室に入ってこられた方に上記疾患がみられたことはほとんどありません(あくまで経験上の話ではありますが…)。
まれではありますが、私よりも若い方のくも膜下出血も診察する機会があります。動脈瘤は多少遺伝性が指摘されています。1親等以内の女系(本人(女)からみると母、娘)には有病率約4%(関係なければ有病率1%といわれています)ですので、4倍動脈瘤の発生率が高いことになります。
私自身も一度脳ドックは受けておこうかと考えてますが、上記に該当する方は特に一度動脈瘤のチェックをMRIで行っておいてもいいかもしれませんね。
では、次回は動脈解離のお話をさせていただきますね、では!