こんばんは、ちいです。今回は前回の続きです。
心原性脳塞栓症の治療薬についてです。
心原性脳塞栓症においては「抗凝固薬」とよばれるお薬を使用します。
以前は「ワーファリン」と呼ばれるお薬の一択でした。このお薬ですが、血中濃度を一定に保つのが難しく体調が悪い時や食べ物との組み合わせ(納豆など)で容易にコントロールが悪くなります。
そのため、月に1回は採血をしなければならず医療サイドも患者サイドも管理が煩雑でした。この10年ほどで「DOAC」と総称される新規抗凝固薬が発売されました。
具体的には「プラザキサ」「エリキュース」「イグザレルト」「リクシアナ」というお薬です。このお薬ですが、販売当初は私も懐疑的な目を向けていました。
血中モニタリングがいらないというのが売りでしたが「気づかないうちに薬が効きにくくなったら効きすぎたりしているのではないか?」「合併症が多いのではないか?」と考えてました。
その後、それぞれのお薬についてワーファリンとの比較試験がいくつも出されました。
結論から言うと…
現在はDOACのほぼ一択かと思います。
DOACは
- 細かい調整をしなくとも血中濃度が安定している(頻回な採血がいらない)
- 合併症(脳梗塞の再発や、脳出血・消化管出血などの出血性合併症)がWfと同等もしくはWfより改善
- 食べてはいけない食品(納豆やクロレラなど)がなくなる
の点でワーファリンよりも優れています。ただし欠点としては、お薬の値段かと思います。ワーファリンは1錠数円なのに対し、DOACはいずれも常用量1錠で500円程度です。また、腎臓が極端に悪い方も使えないルールになっていますので、もしお薬を変更されたい方は主治医にご相談ください。
本日は以上になります。ではまた!